Issue
人事施策の機能不全課題
組織の離職対策やエンゲージメント対策として、サーベイやMVVワークショップなどの人事施策を施すが 本質的な改善とならない理由を踏まえて、どのようなアプローチをすべきかを整理しています。
なぜあらゆる人事施策が機能しないのか?
コレクティブエフィカシー(集合的効力感)に繋がらない施策になっている
コレクティブエフィカシーとは、今できないことも「私たちなら成し遂げられる」という集合的効力感に満ちている状態のことです。
一方で、今できないことも「私なら成し遂げられる」という自己効力感に満ちている状態をセルフエフィカシーと言います。
これらのエフィカシーが組織のエンゲージメントを構成しており、人事施策が機能しないのは、優秀な人材やミドルマネージャーに対してエフィカシーにつながるものではなく、現場への皺寄せやマネジメントの阻害要因となっているためです。


コレクティブエフィカシーが低い組織の末路
コレクティブエフィカシーが低く、セルフエフィカシーの高い優秀な若手人材は流出(特にZ世代は組織への見切りが早い)し、 自己肯定感の低い人材、挑戦しない人材だけが残ることになります。
コレクティブエフィカシー、セルフエフィカシーともに低い場合、マネジメントは目指さず(罰ゲーム化する管理職)、やりがいのある仕事はしたいけど、責任のある仕事はしたくない人材が増加します。

エフィカシーを高めるための鍵
「やりたい」人事と、「やらされる」現場のギャップ
組織の成長には「学習する仕組み」「挑戦する仕組み」「チームが向上する仕組み」を通じて、個人と組織のエフィカシーを高める施策が必要です。
しかし、人事と現場の乖離により、適切な人事施策が実行されないケースが多く見られます。
人事部門は組織全体の視点から施策を設計しますが、
・現場の実態を十分に把握していない
・部門間のコミュニケーションが不足している
・部門ごとに目標や価値観が異なり、連携が取れていない
などが原因で、施策が現場に適応されず形骸化してしまうことがあります。
例えば、本来は従業員の挑戦を促す仕組みを構築すべきところ、現場の状況を考慮しないまま、型にはまった研修やサーベイを繰り返してしまう、といった例が挙げられます。
人事が設計した施策と現場の実情がかみ合わないことで、施策が実行されない、あるいは現場の負担になってしまうことで、結果として組織全体のエフィカシーが低下してしまう状況も少なくありません。
適切な施策を機能させるためには、人事と現場が対話を重ね、組織の現実を踏まえた仕組みを共に構築していくことが不可欠です。
組織開発で乗り越えるべき3つの壁
人事施策が効果を発揮しない背景には、「わからない壁」「進まない壁」「変わらない壁」の3つの障壁が存在します。
これらの壁を乗り越えるためには、組織全体の認識を統合し、施策の納得感と主体性を高めるアプローチが不可欠です。

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