組織開発のコンサルティングを提供する当社は、
クライアントや経営者・人事パーソンから、相談事が日々届きます。
よくある相談内容の1つに、情報共有の話があります。
(ナレッジマネジメント系のテーマって、20年くらい訊かれている気がする。。)
「社内SNS、グループウェアなどの色んな実験をしたけど、
うちの組織は、情報の共有化がなされない。。リモートワークでさらに難易度が上がっています。」
と言った、
現代では化石となってる、組織課題で悩んでいる相談が多いです。
相談者は真面目に以下のようなことを言う。
「イノベーションは、既知と別の既知の新結合であるから、各社員が持っている知を「新しく組み合わせる」ために、情報の共有化が重要だ。
コミュニケーションの機会も増やしているし、ブレストも定期的にやって、施策を多く同時に走らせている。」
いやー、まったくその通りなのだが、
残念ながら外れです。
めちゃくちゃ外れです。
組織学習での知の共有というのは、
メンバー間のインフォーマルな直接会話などを促す場のデザイン。
トランザクティブ・メモリー(組織の記憶力)を向上させることであって、
ブレストも専門家なしに、自分たちなりに努力するなんて、社会的懸念が払拭できないことが多くて、効率が悪いことはかなり昔から結論が出てます。(プロダクティビティ・ロス)
カルチャーが悪いだの、一人ひとりのプロフェッショナル意識が希薄なのだと、かなりのげんなりしていました。
彼らのように間違った「情報の共有化」という考えは、
『組織のメンバー全員が同じことを知っていること。』
と、思い込んでいて、
前提が大きく間違っています。
組織の学習効果、パフォーマンスを高めるために大事なのは、
「組織のメンバー全員が同じことを知っている」ことではなく、
「組織のメンバーが『ほかのメンバーの誰が何を具体的に知っているのか』を知っておくことである」ということです。
組織に必要なのは、情報のwhatじゃなくて、
【who knows what】であるということ。
それなりに全員が同じことを覚えるというのは、
「価値基準・行動規範」などのメンタルモデルを揃えるためとか、共通言語を増やす話ならまだしも、
新結合という新しいアイデアの創出に関しては、極めて非効率です。
そもそもブレストの効能は、
アイデアの創出よりも、メンタルモデルを揃えることや、組織の記憶力を向上させることの方が役割として適しています。
「情報の共有化」を推進したいのであれば、
いざとなったら、どの部署の誰さんに、
組織のラインを無視して社内外に聞くべきなのかが、
組織全体に浸透していることです。
ここを目指しましょう。
というか、設計段階でこの認識がないまま施策やプラットフォームに頼っても、成果は出ません。
強みを活かす経営なるものも、本質は同じです。
互いが異なる強みを理解していなければ、
ただのスローガンで終わります。
完全オンラインスクールのMindset Coaching schoolが、
組織も職業も違う仲間と、熱量高く連携がうまくいってる理由は、
組織に必要なのは、情報のwhatじゃなくて、【who knows what】を自然に起こすようにデザインしているからです。
【who knows what】の大事さ、
分かってくれます?